こんにちは、soraです。
日本の伝統的な衣服である着物は、その美しさや独特な文化が世界中から愛されています。
美しさや独特の文化って何?
その一つが着物の染めと織りだよ
着物の染めと織りは、それぞれの種類やデザインによって異なり、日本全国に着物の産地と呼ばれるところは多く存在しています。
「染めの着物・織りの着物」は、その土地ならではの文化や伝統を受け継ぎつつ、現代の着物ファンに合わせた新しいデザインや色合いを生み出し、日本には、北から南まで多様な織物と染め織物があります。
それらは、地域の風土や作り手の美意識が反映された、精巧で美しい布たち。
例えば、「綴織・輪奈織」「紋織・型染め」など様々な技法や模様のものがあります。
色々な技法や模様に共通点はないの?
あるよ!
どれもが手間ひまかけて作られているってことだよ
手間ひまかけた「染めと織り」は日本の誇るべき伝統的な工芸品であり、大切に受け続けられてきた財産です。
ぜひ、この記事を読み進め日本の素晴らしい伝承文化に触れてみてくださいね。
着物の染めと織りの違いとは
着物や帯となる生地にいつ色を付けるかによって、織りと染めの違いがあります。
- 染めの着物とは
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糸で白生地を織り、後から生地に色柄を染めたもの
- 織りの着物とは
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色を染めた糸から模様を織りだした生地で仕立てたもの
二つの着物は同じ素材から織り上げていても「やわらかさ/着心地/見た目」が違ってきます。
染めの基礎知識
生地に織り上げた後に染色する技法。
染めには「先染め/後染め」の2種類があり、手触りが良く柔らかい印象を与えます。
また、染には「手描き染め/型染め/絞り染め」の3種類があり、それぞれの中でさらに細かく分かれるのです。
- 友禅染のように華やかなもの
- 江戸小紋のようにシンプルなもの
- 先染めとは
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糸を染め上げてから織り上げる方法
- 後染めとは
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白い糸で織った後に染める方法
友禅
友禅とは、布に模様をつける日本の代表的な染色技法の一つで伝統工芸品です。
では、伝統工芸品の友禅にはどのようなものがあるのでしょうか?
- 京友禅
- 加賀友禅
- 名古屋友禅
- 東京手描友禅
同じ友禅でも、産地によってよって雰囲気が異なります。
型染
和紙に渋柿を塗り、何枚か重ね、柄となる形を彫った伊勢型紙を使って染色する。
型の線がくっきりと浮かび上がるのが型染の魅力です。
絞り
布に絞り染めという手法で模様を表現する技術です。
絞り染めは、手作業で行われるため、同じ柄でも一点一点違う表情が出るのが特徴です。
また、絞り染めは和の美意識が詰まった伝統技法であり、高級な着物にも多く使用されています。
織りの基礎知識
染色した経糸と緯糸を交錯させて複雑な布に仕立てる技法。
着物の織り方には、大きく分けると「平織(ひらおり/綾織(あやおり)/朱子織(しゅすおり)」の3つがあり、これを「三元組織」と呼びます。
織りの組織とは
織物の経糸と緯糸の組み合わせのことです。
その組織は多岐にわたりますが、基本となるのは3種類で、それを三元組織といいます。
三元組織とは
製織技法の中で最も基本的な、平織・綾織・朱子織の3つをまとめて「三元組織」でしたよね。
織物のほとんどがこの3つのうちのどれかを用いるか、応用して作られています。
- 平織(ひらおり)
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- 最も単純な織り
- 経糸を一本ずつ交互に浮き沈みさせる
- 製織が簡単で丈夫
- 織りの着物のほとんどがこの平織
- 糸の撚り方で光沢や風合いが変化する
- 綾織(あやおり)
-
- 経糸と緯糸を二本以上組み合わせ、斜めにウネをだしたもの
- 斜文織とも呼ばれる
- 平織よりも強度は低いが、地合が密で柔らかい
- 伸縮性にすぐれている
- シワが寄りにくい
- 朱子織(しゅすおり)
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- 経糸と緯糸、それぞれ5本以上で構成されている
- 通常は経糸を長く浮かせることが多い
- 摩擦に弱いが、光沢が強い
- 訪問着などに仕立てられる綸子は朱子織で織られている
その他の基礎的な織り
- 捩じり織(ねじりおり)
-
- 搦み織りとも呼ばれる
- 夏の着物や帯になる絹織物「紗」「絽」「羅」の3種類がある
- 経糸同士が平行にならずお互いが榒み合い、その間に緯よ糸を入れることで、美しい透け感を表現
- つづれ織
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- 平織に一種で緯糸だけで模様を表現
- 緯糸に数色の色糸を使い、模様部分を織る
- 緯糸と地組織りになる緯糸をそれぞれつづらのように折り返して織られる
- 西陣織りの特産
- 緯うね織(よこうねおり)
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- 平織の経糸の数を増やす
- 緯糸に太い糸や何本かまとめて太くした糸を織り込む
- 縦方向にウネが現れる織物
- 「博多織の献上」「八重山」「読谷山ミンサー」に用いられている
- 二重織(にじゅうおり)
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- 経糸、緯糸のいずれか、もしくは両方が二重に組織されたもの
- 表と裏でデザインや色を変えリバーシブルに使用されることもある
- 西陣織の品種の一つ、風通もこの一種
着物の染めと織りの歴史
縄文時代から、染色が行われていたと考えられています。
また、日本の染色技術は古代中国や、朝鮮半島から伝わった技法を取り入れながら、独自の発展を遂げてきました。
一方、日本の織物技術は弥生時代に中国大陸から伝わった技術を基に発展したとされています。
着物の染めと織りの文化
「染めの文化」は、日本の美しい伝統文化の一つであり、その技術や美しは多くの人々に愛されています。
日本の伝統的な衣服である着物に色や模様をつける技法のことで、「手描き友禅/型染/ろうけつ染め」など様々な種類があります。
染めの文化は、日本の「自然/四季/歴史」を表現しており、着物の染めの文化を知ると日本の美しさを感じることができます。
「織りの文化」は、古代から存在し、多様な素材や技法を駆使して様々な生地を作りだしてきました。
着物の生地を作る技術のことで、「平織/綾織り/組織り」があり、
織り方によって着物の見た目や特長が変わってきます。
日本の技術や美意識を表現してる着物の生地に触れてみると、その素材や風合いや色彩に感動します。
着物の生地に込められた職人さんの想いや工夫も知ると、その魅力がさらに深まります。
着物の染めと織りの種類と特長
織りの着物の産地と特長
織りの着物 | 産地 | 特長 |
---|---|---|
大島紬(おおしまつむぎ) | 鹿児島県大島郡 | 何人もの職人の手を経て、織り上がりまで半年から一年以上、衣擦れの音が鳴る滑らかな肌触りで着やすさも抜群な高級紬 |
結城紬(ゆうきつむぎ) | 茨木県結城市 | 撚りをかけない真綿手紡ぎ糸を使用、ユネスコの無形文化遺産に唯一指定されている絹織物 |
塩沢紬(しおざわつむぎ) | 新潟県越後地方 | 真綿の小さな節や素朴な模様、真綿を使っているため、光沢が少なく独特の風合いとシャリ感あふれる肌触り |
牛首紬(うしくびつむぎ) | 石川県石川郡白峰村 | 玉繭から紡ぐ糸を使用した釘を抜くほど丈夫で張りのある織物、別名「釘抜き紬」 |
郡上紬(ぐんじょうつむぎ) | 岐阜県郡上八幡 | 草木染めを繰り返すことで生まれる、自然な色合いとツヤが特徴 |
信州紬(しんしゅうつむぎ) | 長野県 | 本来は草木染の縞や格子柄が主体 |
久米島紬(くめじまつむぎ) | 沖縄県島尻郡久米島町町 | 琉球王朝が育んだ琉球由来の精緻な伝統技法を今も受け継ぐ |
本場黄八丈(ほんばきはちじょう) | 東京都八丈島 | 江戸時代の町娘に愛好された |
久留米絣(くるめがすり) | 福岡県久留米市 | 織る前に柄を染め分ける「織絣」に分類さえれ丈夫で長持ち、着るほどに心地よくなる |
琉球絣(りゅうきゅがすり) | 沖縄県島尻郡南風原町 | 南国の風土が生んだ約六百種ある多彩な柄を組み合わせた素朴な絣模様 |
西陣御召(にしじんおめし) | 京都府京都市 | 上品な光沢とシボを持つ将軍にも愛された絹織物 |
十日町御召(とおかまちおめし) | 新潟県十日町市 | 織物の一大産地で育てられた御召 |
塩沢御召(しおざわおめし) | 新潟県越後地方 | 細かな絣や縞が素朴で味わい深い |
銘仙(めいせん) | 埼玉県秩父市・群馬県伊勢崎市 | 型紙を使った経糸絣、アンティークブームで再び人気の絹織物 |
米沢織物(よねざわおりもの) | 山形県米沢市 | 幻の紬・白鷹紬をはじめ長井紬、置賜紬で知られている |
ミンサ―織(みんさーおり) | 沖縄県八重山郡竹富町・石垣市 | 手織りの素朴な風合いと軽い締め心地が魅力、使い込むうちに体に馴染む |
花織(はなおり) | 沖縄県那覇市・読谷村 | 庶民の祈りを込めた刺繍のような紋柄「浮織」の一種で糸を浮かせて作る小さな点が織りなす文様が独特 |
芭蕉布(ばしょうふ) | 沖縄県国頭軍 | 沖縄の代表的な夏の織物、芭蕉の繊維を織った麻より張りがある軽くて涼しい布 |
宮古上布(みやこじょうふ) | 沖縄県平良市 | 光沢感、薄く軽いが強度があり熟練の職人でも一日二十センチしか進まない高級品 |
八重山上布(やえやまじょうふ) | 沖縄県石垣市 | 図柄は伝統的な琉球絣、苧麻の栽培から染めて織るまで手作業で行う |
近江上布(おうみじょうふ) | 滋賀県愛知郡 | 染色の際、糸を括らないので糸に負担がかからず、くっきりとした絣模様が表現され |
能登上布(のとじょうふ) | 石川県羽昨市 | 丈夫で高級な夏向けの織物 |
越後上布(えちごじょうふ) | 新潟県越後地方 | 上等な麻を裂いて織りあげた高級品 |
明石縮(あかしちぢみ) | 新潟県十日町市 | 透けるように薄い十日町産の「幻の布」 |
小千谷縮(おじやちぢみ) | 新潟県小千谷市 | 麻糸に撚りをかけシボをつくって縮ませた知名度の高い優しい風合い、軽くて暖かな麻の織物 |
阿波しじら織(あわしじらおり) | 徳島県県徳島市 | 徳島の藍で染めたシボと藍染めが特徴の涼しい木綿、肌触りよく軽いのも魅力 |
染めの着物の産地と特長
染めのの着物 | 産地 | 特長 |
---|---|---|
京友禅(きょうゆうぜん) | 京都府京都市 | 色鮮やかな手描き友禅の代表格 |
加賀友禅(かがゆうぜん) | 石川県金沢市 | 気品ある自然描写が魅力 |
型友禅(かたゆうぜん) | ー | 多彩な色で型染した身近な友禅模様 |
江戸小紋(えどこもん) | 東京都 | 精緻な柄を型染めした江戸の品格ある布 |
琉球紅型(りゅうきゅうびんがた) | 沖縄県那覇市 | 一枚の型紙で多色を染め抜く琉球唯一の後染めの布、優しい柄が女性を惹き付ける |
辻が花(つじがはな) | ー | 室町時代から伝わる気品漂う墨絵と絞り |
絞り(しぼり) | ー | 手間とかけた古代から伝わる技法 |
茶屋辻(ちゃやつじ) | ー | 奥女中だけに許された徳川家の「止め柄」 |
有松・鳴海絞り(ありまつ・なるみしぼり) | 愛知県名古屋市 | 図案を型紙に彫り、生地に下絵を刷り、その下絵に添って綿糸で括り染色、糸抜きをする |
江戸中型(えどちゅうがた) | 東京都 | 江戸庶民に愛好だれた涼しい浴衣地 |
南部染め(なんぶぞめ) | 岩手県盛岡市 | 地元民が復活させた伝統染色技法 |
ろうけつ染め(ろうけつぞめ) | ー | ひび割れがつくる偶然の模様の面白さがある |
着物の染めと織りに使われる素材
織りの素材は「絹/木綿/麻」と大きく3種類に分けられます。
絹織りの代表は紬ですが、産地によって風合いや素材感が変わります。
織りの素材 | 特長 |
---|---|
絹 | 織りに使われる絹糸は3種類 細くて光沢感がある「生糸」やや太めで節のある「紬糸」やや太めで光沢と節のある「玉糸」 産地によってどの絹糸を使うか決まっており、それぞれ織り上がったときの風合い、厚み、素材感に違いがある |
木綿 | 一般的に木綿は絹に比べ、糸そのものが太く織り上がった生地が重く厚地 産地によって厚さ、質感などはさまざまでざっくりとした風合いの厚手、細めの糸で織られた柔らかな手触りものものまである |
麻 | 通気性や吸湿性、撥水性に富むのが特徴 おもに夏の着物の素材に使われている 糸の太さや品質に違いがあり、価格帯もさまざま |
染めは白生地に施され、白生地は大きく3種類あります。
染の素材 | 特長 |
---|---|
羽二重 | 薄地できめが細かく光沢がある シボがない 主に胴裏に使われる |
綸子 | 光沢があって柔らかくなめらか 多くは地紋がある 着物や襦袢、帯揚げなどに使われる |
縮緬 | 撚りをかけることでできる凹凸した小さなシボが特徴 京都の丹後ちりめん、滋賀の浜縮緬が有名 |